複雑形状・多極着磁設計向けのボンドNdFeB磁石
ボンドNdFeBは、希土類磁性粉末と樹脂バインダーを組み合わせた材料です。射出成形または圧縮成形により、単純な焼結磁石では難しい複雑形状、安定した寸法再現性、インサート、多様な着磁パターンに対応できます。

材料NdFeB磁性粉末・樹脂バインダー
製造方式射出成形または圧縮成形
形状リング、ロータ、セグメント、インサート、成形品
主な選定理由形状自由度、公差、多極着磁パターン
製品
形状自由度、一体成形機能、管理された極数・着磁パターン
ボンドNdFeBは、焼結材の機械加工では難しい、材料歩留まりが悪い、または必要な多極着磁を実現できない形状に適します。金型・治具、バインダー、肉厚、着磁治具を一つの仕様として検討します。
成形形状の自由度が高い
多極・ラジアル着磁に対応可能
量産で安定した寸法再現性
この製品が適する条件
- 複雑形状、薄肉、インサート、一体成形機能が必要な場合。
- 多極、ラジアル、専用治具を使用する着磁パターンが必要な場合。
- 最大エネルギー積よりも、寸法再現性を重視する場合。
- 金型・治具と成形工程の検討が合理的になる量産数量を見込める場合。
選定前の確認事項
- 磁気出力は通常、焼結NdFeBより低いため、要求値を満たすか確認が必要です。
- 射出成形と圧縮成形では、公差、金型・治具、磁気特性が異なります。
- バインダー材料は、耐熱性、耐薬品性、機械特性に影響します。
- 量産開始前に、着磁コイルと着磁治具を設計する必要があります。
仕様
磁気出力とのトレードオフを前提にした複雑形状
ボンドNdFeBの磁気出力は通常、焼結NdFeBより低くなります。一方で、薄肉、インサート、スリーブ、多様な着磁パターンを一体化し、後工程の組立を減らせる場合があります。適切な製造方式は、射出成形、圧縮成形、バインダー系、想定数量によって決まります。
形状、バインダー・成形方式、着磁パターンを一体で仕様化します。
| 材料系 | ボンドNdFeB。用途と成形工程に合わせて、磁性粉末と樹脂バインダーを選定します。 |
|---|---|
| 代表的な形状 | 多極リング、ロータ、セグメント、スリーブ、薄肉部品、インサート、成形組立品 |
| 成形方式 | 形状自由度を重視する場合は射出成形、より高い磁粉充填率が適する場合は圧縮成形を検討します。 |
| 着磁 | 多極、ラジアル、軸方向、専用治具による特注着磁パターン |
| 技術上のリスク | 磁気出力とのトレードオフ、金型費、肉厚、バインダーの制約、年間数量 |
技術データ
ボンドNdFeB材料の参考範囲
以下の数値は成形方式を比較するための参考値です。最終性能は、磁粉充填率、バインダー、部品形状、着磁パターンによって大きく変わります。
| 材質グレード / 製造方式 | Br(T) | Hcj(kA/m) | BHmax(kJ/m³) | 最高使用温度(°C) | 密度(g/cm³) |
|---|---|---|---|---|---|
| PA射出成形 | 0.35~0.55 T | 500~750 kA/m | 20~55 kJ/m³ | 100°C | 3.8~5.0 g/cm³ |
| PPS射出成形 | 0.35~0.52 T | 500~720 kA/m | 20~50 kJ/m³ | 150°C | 3.8~5.0 g/cm³ |
| 圧縮成形 N8 | 0.55~0.62 T | 600~800 kA/m | 50~65 kJ/m³ | 120°C | 5.5~6.0 g/cm³ |
| 圧縮成形 N10 | 0.60~0.68 T | 650~850 kA/m | 65~80 kJ/m³ | 120°C | 5.5~6.0 g/cm³ |
ボンド磁石案件では、試作前に極数・着磁パターン、金型費と量産性、年間数量を確認します。
形状・製造対応範囲
ボンド磁石の形状は、金型・治具と着磁パターンを踏まえて計画します。

ロータ・スリーブ
小型モーター、ポンプシステム、回転磁石組立品向け

組立工程にそのまま使用できる部品
形状、着磁、取り扱い条件を整合した状態で供給する部品向け

一体型ロータシステム
シャフト、ハウジング、極数・着磁パターン、後工程の組立を踏まえて開発する成形磁性部品向け
用途例
ボンドNdFeBの代表用途では、形状と極数・着磁パターンの管理が重要です。

小型モーター
形状と着磁を一体で設計するロータ、リング、多極部品

センサー・エンコーダ
位置フィードバックや小型センサーパッケージ向けの着磁パターン

一体型組立品
後工程での取り扱いと位置合わせを減らせる成形・接着磁性部品
関連する製品・製造方式